日本は言わずと知れた「長寿大国」となって久しい。
2007年に「超高齢社会」となって以降、人口は微減傾向に移りつつあるが、高齢化率は上昇の一途をたどっている。
介護の現場においては「老老介護」などの問題も顕在化している。
著者は「介護される親」より先に「介護する子」が介護疲労で死亡するケースが後を絶たないと指摘。
老親の入院や介護が家計を圧迫することがあるので医療保険や介護保険を上手に利用し、少しでも負担を軽くするようアドバイスする。
また、各章では親が元気なうちにやっておきたい事前の備え、入退院、医療費のしくみ、介護保険で受けられるサービスなどを詳しく解説している。
「退院は介護のはじまり」の項では、「退院後の計画は入院中に開始すること」として、余裕を見て始めないと慌てかねないと懸念。
相談先としては、入院先の主治医・入院先の医療相談室・居住地の包括支援センターなどを挙げている。
さらに、退院後に在宅で生活される場合は、ケアマネジャーが生活プランを作成し、医療機関と協力して療養生活方針を立てることになるという。
加齢によるトラブルは「いざ」とならないと分からないことも多い。
将来想定される事柄を事前に把握するのに役立つ本。
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