本の帯には「2030年、人口は今より1000万人減!2040年、10軒に4軒は空き家に!」とショッキングな記載。
著書は長く不動産業界に籍を置いた経験から、首都圏・地方に関わらず顕在化してきた「空き家問題」を考察する。
大分県内でも空き家問題が報道などで取り沙汰される機会が増えているように感じる。
そして、この問題は「今後20年で多くの人が直面する」というから大変だ。
では、空き家が増えると何が問題になるのだろうか。
建物が老朽化して管理できず庭などが荒れて治安が悪化。
さらには倒壊の危険性や景観を損ねるなどが挙げられる。
しかし現在、「年に20万戸の勢いで急増する空き家」を抑制する効果的な手立てはない。
そこで、空き家対策の処方箋の章では「空き家条例」「空き家バンク」「シェアハウスへの転用」「減築」などの手法を提案し、その有効性と限界を説く。
巻末では空き家問題から「空き自治体→自治体の消滅へ」と論を展開、「日本の骨組みを変える」として国土の再編、道州制、ひとの再配置を提案する。
多くの難しい要因が複雑に絡み合う空き家問題は社会全体の課題として今一度真剣に議論するときを迎えているといえる。
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